左から東野 唯史さん、東野 華南子さん、小田切さん

“REBUILD NEW CULTURE” 諏訪のリビセンとハイライフ八ヶ岳のつながりを紐解く

今年のハイライフ八ヶ岳には、オーガニック先進都市の米国ポートランドに原点を持つ、古材と古道具のお店とカフェ「リビルディングセンタージャパン(以下リビセン)」が出店してくれます。

リビセンは、ハイライフの開催場所である小淵沢から30分の長野県諏訪市にあります。解体が決まった建物や空き家から、古材や古道具を引き取り(この活動を「レスキュー」と呼んでいます)、それをきれいにする・改めて製材するなど、一手間も二手間もかけて、再び流通させるのがお仕事。それらの古材をずらりと並べて販売しているのが諏訪の店舗です。

テーマに掲げるのは「REBUILD NEW CULTURE」。ハイライフ的にいうと新しいカルチャーを“開拓” しているめちゃめちゃ素敵なお店なのです。

誰かには不要なものでも、他の誰かには必要、いやむしろ「新品よりも良い」んです。だって古材には、新品にはない歴史があり、誰かの生活があり、それは大量生産できないから。「ビンテージ風」なんてダサいことしないで、ちゃんとビンテージを選ぼうぜっていうこと。その選択は、ゴミを減らすし、新しいものをつくるための資源に手を付ける必要もないし、良いことばかり。「これからの文化と時代はこういう感じですよね」って、やって見せてくれているわけです。あぁ、かっこいい。

そんなリビセン、実は ハイライフの“何でも作っちゃうスーパー大工さん” (詳しくはこちら https://hi-life.jp/news/3630/ )小田切さんと仕事仲間なんです。リビセンのリニューアルしたカフェの床を施工したのも小田切さんだとか。

というわけで、小田切さんと一緒にリビセンを訪問。リビセンと小田切さんの出会いや、リビセンを立ち上げた東野夫妻がハイライフ八ヶ岳2020に遊びに来てくれたときのエピソードなどを聞いてきました。

一緒に仕事をしてきたリビセンと小田切さん

小田切

きっかけは、当時リビセンに勤めていたスタッフさんが知り合いで、突然電話がかかってきたんだよね。「何かいらないものがあれば持ってきて」って。

華南子

え、すごい雑な電話だね…。

小田切

でも、ちょうどよかったんだよ。有名な銀座のレストランの解体に関わっていて、そこで使っていた什器がいろいろとあってね。それを伝えたら「すぐ持ってきてください!」って。そのときだね、東野夫婦と初めて会ったのは。

東野

うーん、全然覚えてないな…。僕がはっきりと覚えている小田切さんとのエピソードは入院中の病院にお見舞いみたいな打ち合わせに行ったことですね。

小田切

仕事中に指を大怪我しちゃったんだよね。実はそれなりに深刻な状態だったんだよ。治るかどうかわからなくてさ。そんな時に、東野さんがお見舞いに来てくれたんだよね。

東野

「退院したら、現場があるんで」って、病院の休憩スペースで打ち合わせしましたね。大工さんが怪我をしたら当然仕事が止まっちゃう。小田切さんは一人じゃなくてチームだから、小田切さんが最悪復帰できなくても仕事は受けれるでしょって。

華南子

これっていい話ってことでいいよね?大丈夫だよね?

小田切

もちろん。早く治さなきゃって、すごくメンタルを支えてもらったんだよ。ありがたかったなぁ。

華南子

よかった。そんな感じで、ずっとお仕事を一緒にしているよね。まるでうちのスタッフみたいに、リビセンの内部事情までよく知ってるし。このカフェの床も小田切さんが作ってくれたんだよね。

東野

電気屋さんが驚いてましたよ。1日で床ができている…って。

小田切

えへへ。

小田切さんが施工したカフェ部分の床

実は近い諏訪と小淵沢。車で30分

── 東野さんたちは、2020年のハイライフ八ヶ岳にお客さんとして遊びに来てくれてましたね。

東野

そうそう。諏訪から北杜まで、40分くらいだからね。県は違うけど近いんだよ。今年の開催場所である小淵沢なんて30分だよ。

華南子

ハイライフのことは小田切さんが関わっているってことで知っていたし、2020年は友達の坂本美雨ちゃんも出演していたからね。

東野

息子にとって初フェスだったね。

華南子

あのときはコロナで今よりも遥かに社会がピリピリしていたなぁ。

小田切

どうにか開催したけど、2週間が経つまで本当に気が気じゃなかった。やれることは最大限やったけど、でもね…。結果的に、クラスターも発生せず、無事に終えられたけどね。

華南子

それでもさ、こんな状況でフェスを続けるって、本当にすごいことだよ。だって、リビセンの中だけで完結するイベントですらいろいろと躊躇するのに。続けてくれて、本当にありがとう、だよ。

── そんな縁もあるし「今回は一緒になにかしたいです!」って声をかけたら、出店してくれることになりました。ありがとうございます。

華南子

リビセンの出店ってなかなか難しいんだよね。古材はフェスじゃ売れないんだもん。そりゃ木材を抱えてライブなんて見たくないだろうけど。

東野

なので、一輪挿しのワークショップをやろうと思う。15分くらいでできるんだよね。古材を選んで、穴をあける場所を選んでつくるやつ。

華南子

子連れでフェスってたのしい!って思ってもらえるような場所にできるといいな。リビセンのカフェで人気のスコーンも持っていくよ。周りのお店にも声をかけて、チーム諏訪として、出店に行くね!

チーム諏訪としてレコード屋さんの「ONE RECORD STORE」、お花屋さんの「flower shop olde」も出店予定。どちらも諏訪の素敵なお店です。というか、諏訪が素敵な街なんですよ。リビセンを中心に、古材を使った新しいお店が次々とオープン。めちゃめちゃ盛り上がっています。ハイライフに来たついでに、諏訪にも遊びにいってほしいです。